大阪市市民局委託事業「若者・女性への就労支援事業」
2018.04.05

【企業向け】若年社員の早期離職を防ぐには~若年社員がイキイキ働く職場をめざしてⅠ~

なかなか、良い人材が集まらない・・・
せっかく採用して育てたのに、これからという時に辞めてしまう・・・
同じような悩みを抱える企業はたくさんあるのではないでしょうか。
全国的に景気は緩やかな回復の兆しが見られますが、大阪府内の中小企業では、求人難や採用した若年社員の早期離職という課題は改善しておりません。

厚生労働省が平成29年1月31日に発表した、平成28年平均の有効求人倍率は1.36倍。
今から5年前(平成24年)の0.82倍の時代を考えると、求職者はより良い条件の企業に流れるのは当たりまえのこと。

一方、少子化・高齢化社会が進行する中で、労働力人口は平成7年をピークに減少を続けています。少子高齢化が進むであろう今後を見据え、企業は社員の離職防止・定着化に向けて、適切な対策を講じていくことは、企業経営を存続する上で喫緊の課題といえるでしょう。

今回は、大阪労働協会が過去に実施した調査(JOBカフェ定着実態調査)から見えて
きた、若年者の離職防止へのカギをお伝えしたいと思います。

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【本人が成長実感を得られているか?】

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「なぜ、辞める?~辞職理由のウソ・ホント~」
近年、企業に就職した若年者の早期離職が問題視されています。
企業側が把握している若年者の離職理由は「家庭の事情」が48.3%と圧倒的に多く、             次に「キャリアアップするため」が31.9%となっております。
一方、若年者の離職理由は、「給与に不満」が34.6%、ついで「仕事上のストレスが大きい」が31.7%となっています。

企業側が把握している理由と若年者の理由に大きな差があるのはなぜでしょうか。

それは、ホンネを言いにくい(言えない)から。

考えられる要因として、若年者が離職理由を尋ねられ時、「家庭の事情」「キャリアアップ」と答えたほうが、すんなり認めてもらえるではないか?と考えるからではないでしょうか。
(ホンネと違うが、給与への不満やストレスが大きいなんて言いにくい・・・)

「ホンネが言える環境は離職率が下がる?」

 

調査(JOBカフェ定着実態調査)によると、勤務継続者の80%以上が”業務における疑問やトラブルをタイムリーに質問できる人”や”精神面での悩みを相談できる人”がいると答え、離職者では60%弱となっています。また、退職時の相談や上司からのフィードバック状況を調査したところ、退職時に相談した者は全体の42%となっています。

 

一方で、就業継続者は66%が普段の業務で上司からフィードバック、評価を受けていると答えています。(ちなみに、勤務継続者の質問や相談相手となる人は、直属上司が一番多く次いで先輩となります。)

若年社員の質問や悩みがタイムリーに上司へ相談できる人間関係、適切なフィードバックや評価を受けることができる環境が、会社での成長実感を得られ、若年社員の離職防止につながる一つのカギとなるのではないでしょうか。
先輩や上司のみなさん、部下からの質問や相談を受けやすい雰囲気、環境づくりはできていますか?また、部下に対してのフィードバック(評価)は十分ですか?

「就業継続者は”会社に魅力を感じている”人が多い」
勤務継続者の約80%が会社に魅力を感じていると答えています。
魅力があると回答している人は、上司からのフィードバックがある、仕事の疑問や精神面の悩みを質問、相談できる環境があるなど、成長実感を得られている環境にいる傾向が高くなっています。

また、同期入社がいるほうが、いない対象者よりも成長感が高いと回答があります。これは、部署を超えて仕事や精神面での相談がしやすい関係を築きやすいからではないでしょうか。

より多くの魅力を感じるためには、人は自分で発見したものを大切にする特性がありますので、同期もしくは入社年の近い社員同士で「会社の魅力発見」に関わる意見交換の場を持つことなど、就業者自らが会社の魅力を探り、発見させる機会を設けていくことは大事ではないでしょうか。

 

同期入社社員の存在は、成長感や会社の魅力を向上させる要素となっていると伺えられます。
採用人数の少ない中小企業においては同期で複数名の社員を採用することは困難であると考えられますが、社外の研修を利用するなど、企業の枠を超えて同世代のネットワーク形成をすることで、悩みの共有、相場感の形成といったプラスの効用をもたらすと考えられます。
「まとめ」

今後、若年社員の離職防止を進める中で、就業者本人の成長実感が得られるかどうか
がカギとなります。

 

そのためには、
①疑問や悩みを相談できる人間関係の構築、環境づくり
②若年社員を育成する上司の「部下育成力」の強化
③会社の魅力をさぐる機会の向上
④同世代のネットワーク形成
に目を向け、取り組んでいくことが大事ではないでしょうか。